鳥取県が行っている取り組み
小児在宅医療に関する鳥取県の取り組み
鳥取県は日本財団と共同で「日本一のボランティア先進県プロジェクト」という取り組みを行っており、難病の子どもやそのご家族の地域生活支援の一環として、小児在宅支援センターを開設しました。2016年11月に鳥取大学医学部付属病院に開設された同施設は、難病を患う子どもやご家族の生活を支援するだけでなく、小児在宅医療に関連する人材や関係機関の養成を目的に運営されています。小児在宅医療の需要が増加している一方で、小児在宅医療について学べる場所がなく人材が不足している問題があります。小児在宅支援センターの設立は、医療的ケア児への支援にとどまらず、将来的な地域医療を支えるにあたって非常に重要な取り組みであると言えます。また、こういった取り組みをインターネットなどを通じて積極的に発信しています。
小児在宅支援センター
小児在宅支援センターでは実務を通じたOJTプログラムによる人材育成を行い、小児在宅医療ケアシステム構築の推進を図っています。子どもの発達やライフステージに応じた支援について学ぶ機会を用意し、難病を抱える医療的ケア児に必要な支援者の育成を行います。限定的な職種ではなく、子どもに関わる職種すべてに学ぶ機会を設けることで、幅広い人材育成を目指します。医師や看護師と一緒に子どもと触れ合い、現場での実践的なトレーニングを積んでいきます。
子ども在宅ケアミーティング
2016年12月、多職種の連携を目的に「子ども在宅ケアミーティング」が開催されました。医師や看護師、精神保健福祉士、教員、小児患者を持つご家族など40名以上が集まり小児在宅医療に関する話し合いをしました。イギリスで実施している小児在宅医療について共有した後、現状自分たちの住む地域にはどのような支援体制が用意されており、不足している点はどこなのか、今後はどうするべきかなどをそれぞれの立場に関係なくディスカッションをすることで、知見を広げるきっかけになりました。「困っていることがあった際に気軽に相談できる場所が欲しい」と話すご家族や、「病棟勤務で病院内のことしか知らなかったので、退院した後のことを知れてよかった」と話す看護師など、様々な意見や感想がでました。
小児在宅医療の今後の展開に期待する参加者が多い中、日本財団の高島氏が「鳥取県でひとつのチームになりましょう」と呼びかけました。小児在宅支援センター開設後初の開催となる在宅ケアミーティングでしたが、非常に有意義な交流が行われ、今後の多職種連携に良い影響を与えるきっかけとなりました。