どのような職業が関わっているか
小児在宅医療に関わる職業として、「医療ソーシャルワーカー」「薬剤師」「看護師」の仕事内容や役割、求められるスキルなどを紹介していきます。小児在宅医療には様々な分野の職業が関わりますが、その連携がスムーズになるように調整するのが医療ソーシャルワーカーです。薬剤師は薬の調剤はもちろん、薬を使用するにあたっての指導やアドバイスを行います。看護師は患者さんへ医療的ケアを提供しながら、患者さんのご家族もサポートする必要があります。
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様々な調整をする「医療ソーシャルワーカー」
小児在宅医療には様々な職業が関わっています。そのため各機関の連携がカギとなりますが、その連携を司るのが「医療ソーシャルワーカー」です。医療スタッフが患者さんの自宅に訪問する際に同行し、ご家族の相談に応じたり診療内容の確認を行った後、必要な情報を各機関に提供します。医療ソーシャルワーカーの仕事をするにあたって特別な資格は必要ありませんが、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を必須としている医療機関がほとんどです。
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薬剤の知識をアドバイスする「薬剤師」
小児在宅医療における薬剤師は調剤薬局で働く薬剤師とは違い、処方設計の段階から関わることになります。場合によっては、医師に対して処方の提案をすることもあるでしょう。薬を調剤した後は患者さんのもとへ届けに行きますが、その際にはただ薬を渡すのではなく、正しい飲み方や副作用、保管方法などの指導・アドバイスをします。小児在宅医療の薬剤師には薬学に限らない幅広い医療知識やコミュニケーションスキルが求められます。
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医療的ケアを提供する「看護師」
小児在宅医療におけるご家族の負担を軽減し、適切な医療的ケアを提供する役割を担うのが看護師です。また、子どもやご家族を支えるためには、それまでの治療内容や注意事項などの詳細な情報が必要となるため、ご家族と積極的にコミュニケーションをとる必要があります。訪問看護の分野なので、訪問看護ステーションに所属して働くことになりますが、小児看護の経験がない場合は研修などに参加して必要な知識や技術を学ばなければなりません。
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とある訪問看護師の体験談
もともとは病院で勤務しており、現在は小児在宅医療に関わっている看護師(Aさん)の体験談を紹介します。小児科で働いていたAさんは、とある経験をしてから「本当に子どもたちのケアは病院じゃなきゃできないのだろうか」と考えるようになりました。そのタイミングで訪問看護ステーションを立ち上げた先輩から声がかかり、転職を決意しました。最初は戸惑う部分もありましたが、小児在宅医療に関わるやりがいは非常に大きいとAさんは語ります。