在宅医療に必要なもの

在宅医療に必要なもの

まずは気持ちの面を大切に

子どもが病院で治療を受けた後、自宅に帰って在宅医療を開始する際に必要なものはいくつかありますが、まず意識しておきたいのは子どもを迎えるご家族の「気持ち」の部分です。子どもが退院するのは嬉しいことですが、それと同時に「病院にいたときと同様のケアができるだろうか」「看護師じゃない自分が障がいのある子どもの面倒をみることができるのだろうか」という不安を抱えるでしょう。しかし、不安な気持ちを無理やり払しょくする必要はありません。このような不安があるのは当然のことです。重要なのは、その気持ちを隠さずに各機関や周囲に相談することです。ご家族が不安に思うことを周囲が一緒になって考えることが、子どもを自宅に迎えるための最初のステップです。ほんの少しでも安心できる環境を周囲と共に考えていく姿勢が大切なのです。

必要な準備

では、具体的にどのような準備が必要なのかをみていきましょう。まずは、小児在宅医療ケアを行うために必要な道具を揃えることです。次に、ご家族が日常的なケアをできるようになることです。そして最後が、訪問看護師やヘルパー、祖父母など生活を支援してくれる方々に、いつ・どのようなサポートを受けられるのかを確認しておくことです。
以上が必ず準備すべき点ですが、これ以外にも病院側との確認事項などがあります。とはいえ、すべてが完璧に決まっていなくても問題ありません。実際に自宅での生活を始めた後に、想定と異なる部分がでてくるでしょう。そのため、試行錯誤をしながら自分たちに合った生活スタイルを見つけていく姿勢が必要です。

関わる人々

小児在宅医療に関わる医療スタッフには医師や看護師、医療ソーシャルワーカー、薬剤師などがいます。自宅に帰る前に、これらのスタッフから自宅でのケアに関わるアドバイスや利用可能なサービスの情報を教えてもらえます。また、地域の訪問看護師や保健師と連絡をとりながら在宅医療環境を整えていくことができます。
自宅に帰った後は、相談支援専門員やケースワーカーなどから地域で利用できるサービスや手続きに関する情報を教えてもらい、訪問看護師やヘルパーのサポートを受けることになります。

必要な道具

自宅に必要な機器や用具としてまず挙げられるのが「診療材料品」です。具体的には吸引や経管栄養に使用するチューブ、シリンジなどが挙げられます。次に「日常生活用具」です。車いすや特殊寝台、吸引機などがこれにあたりますが、購入の際には助成が受けられるかどうかを確認しましょう。また、「人工呼吸器・在宅酸素」が必要な場合は、専門業者を自宅に呼んで設置してもらう必要があります。

小児在宅医療