小児在宅医療の概要
ここでは小児在宅医療の概要を把握するために、在宅医療とは何かという基本的な部分から、関連制度、在宅医療に必要なものなどを紹介していきます。患者さんの自宅に訪問して医療を提供する在宅医療は、高齢者に限らず利用できます。また、患者さんの状態や生活環境に応じた様々な制度があります。小児在宅医療においては、自宅での生活を始めるにあたりいくつか準備・確認すべき事項がありますので、事前に把握しておくことが大切です。
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在宅医療とは何か?
まず、在宅医療とは何かについて知りましょう。通院ができない患者さんの自宅に訪問し、医療を提供することが在宅医療です。医師や看護師が実施するイメージがありますが、実際には歯科医師、リハビリ職、薬剤師など様々な職業が関わります。在宅医療を利用している人の割合として多いのは65歳以上の高齢者ですが、状況によっては障がいを持つ子どもなども利用可能です。患者さんだけではなくそのご家族も含めたサポートを行います。
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関連制度や手当について
小児在宅医療に関連する各種制度や手当について、神奈川県の支援制度を例に挙げて紹介します。医療費に関する制度として挙げられるのが「小児慢性特定疾患医療給付制度」「特定疾患医療給付制度」「自立支援医療制度」です。次に福祉サービスに関する制度として挙げられるのが「障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者福祉手帳」です。そして状況に応じて支給される手当として挙げられるのが「特別児童扶養手当」「障がい児福祉手当」です。
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在宅医療に必要なもの
子どもが退院して自宅での生活を始めるにあたり、親は「本当に障がいを持つ子どもの面倒を自宅でみることができるのだろうか」という不安を抱えます。このような気持ちになるのは当然のことなので、無理をせず不安な気持ちを周囲に相談するようにしましょう。そのうえで、在宅医療に必要な道具を揃え、医療的ケアに関する知識や技術を学びましょう。サポートしてくれる人々や各種制度の手続きなどを事前に確認しておくことも大切です。